研究業績

箱庭療法学研究 37, 1, 53-58
箱庭療法の基礎的研究を再考する——機序やプロセスに関する研究への問題提起——

著者

山村裕大・佐藤優生

カテゴリ

論文

Abstract

近年の箱庭療法に関する基礎的研究の傾向は,①箱庭療法の機序やプロセスの解明,②制作者の主観的体験への着目,③研究と臨床の乖離の低減の3つに特徴づけられる。本論の目的は,これらの3つの特徴を再考し,今後の研究の方向性について考察を行うことであった。それぞれの特徴について検討した結果,「箱庭療法でなぜ治るのか」という問い方自体を改める必要があること,箱庭制作者の心理的変化の理解に主観指標だけでなく生理指標や行動指標の活用が役立つこと,心理的変化のメカニズムを探究する上で臨床に近づくだけでなく,臨床から離れる視点も重要であることが考えられた。
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